印刷 技術道

◆USA-DM事情

2009.10.21

PRINT 09 展示会

前回までレポートした、One to One-DMを積極的に利用されているのは、クライアントのROI
(return on investment)意識の高まりによるとのことです。
(基本的な式は次のとおりで、ROIは大きいほど収益性に優れた投資案件ということになる。
ROI= 利益 /投資額 ×100)
それは、近年の不況から来るもので、従来の大量配布型DMの費用対効果の低さが問題となっている。クライアントが所有している個人情報を含むデーターベースを、外部へ委託することは、嫌うことは日本と同様のようです。しかし、効果測定をすることによりROIが把握できることが判り、販促への活用が広まったとのことです。

■パーソナルURL
E-mailの配信は、顧客へのアクセス量とスピードではDM をしのぎ、コスト的にも有利である半面、受け手にとってみれば迷惑メール化するリスクがある。従って結果的にレスポンスは低くなる。紙メディアのDM は、メッセージやデザインのインパクトなど訴求力を高めることが可能だが、netの活用が低くことが懸念されます。
DMからnetへ誘導し、オンラインによる双方向のコミュニケーションを実現するのが、パーソナルURLです。

事前にパーソナルURLで、カスタマイズしたページを準備しておきます。
そしてその顧客に特化したURLを印刷します。

例えば、西川 花子さん宛であれば
http//www.hanako/printnet.co.jp

西川 花子さんは、PCで入力します。そこには専用ページがあり記入することで何だかのインセンティブが得られます。

パーソナル化される例
画像 バースディケーキに名前を入れる。この場合『Hanako』

■One to One DM事例
 Vision Integrated Graphicsの事例です。
 Lexusのデーラーで実際に実行されているOne to One DMです。
 カーディラーには当然販売した車の履歴があります。
 ディラーのセールスマンは、自分の担当した顧客に対してメンテナンスのDMを作成します。
 Vision Integrated Graphicsの構築したサイトで、事前に準備されているDMのテンプレートを選択して、顧客リストから作成した、カスタマイズした情報を入れ発注します。

裏面が宛名となる。この面はUV光沢ニス加工されます。
 この印刷物は、一部あたり3.75$かかるとのこと。
 しかしこのディラーでは、DMによる売り上げ効果が、客単価330$あることが実証されている。
 ROI=88倍となり、効果の高い販促活動と認識されている。
 
■USAの郵便事情
 日本と同様に大量に発送した場合の割引制度があります。さらに郵便番号を細分化して持ち込むことにより更に割引く制度があり、DM発送を行う会社の差別化要因になっているようです。
 JAPS-OLSON COMPANY社のホームページに記載されている例です。

◆PRINT 09 展示会 No3

2009.10.18

PRINT 09 展示会

■ユーザー見学レポート
今回のツアーの目的は、アメリカでのデジタル印刷の成功事例を学ぶことでした。
シカゴ近郊のHP インディゴユーザー3社を見学しました。
デジタル印刷機に関して多種ありますが、オフセット印刷と混在させる、ハイブリット印刷が可
能となるのは、インディゴのみと言われています。
今回は、それをまのあたりに検証しました。

Tukaiz
創業者 Frank Defino Sr Tukaizが1960年に製版会社として創業し、その後はオフセット印刷
会社として、大ロットの印刷を展開していた。
1990年〜2000年は、経営権を他に譲っていたが、2004年に買い戻した。
デジタル印刷時代となり「マーケット・サービス・プロダクション・カンパニー」と定義している。
インディゴを10台所有し、仕事の大半はデジタル印刷でカタログ等では中はオフセット印刷・表
紙デジタル印刷(バリアブル印刷)やOne to One DMなどを行っている。

・設備
Heidelberg SM102CD-6 UVコーター付き 2台
HP Indigo Press 5500 2台 5000 5台 3050 2台
HP Indigo Press S2000 (フィルム印刷用)
UVコーター 2台
HP Sitex1500 FUJI LuxelJet UV 250 等 10台
後加工 製本設備 ダイカッター等

・ビジネスモデル
経済環境が悪化する中で、企業広告はマス広告からターゲット広告へ移行している。
Tukizでは13年前からインタラクティブチームを作り、Webサイトの構築・Flashデーターの製作を行っていた。
パーソナルURLによるOne to OneDMやWebサイトの構築ができるこのチームがベースとなって、マーケティングチームが顧客に提案営業を行っている。
カラーマネージメント:印刷・インディゴ・大判プリンターなどカラー出力物は色管理を徹底している。

  徹底した顧客志向
  発注元との関係作りが重要で、必要に応じてWebの提案、紙の提案というように最適なソリューションを提案している。発注元の消費者がどう考えているのか。印刷会社がどう手伝うかがポイントである。
 Web to printのデモサイト
 http://www.tukaiz.com/index.php?option=com_content&task=view&id=80&Itemid=40

 パーソナリゼショーン(画像)
 http://www.tukaiz.com/index.php?option=com_content&task=view&id=72&Itemid=40
 DirectSmileはデジタル印刷のデフェクトスタンダードです。
 
 Vision Integrated Graphics
印刷会社2社(ビジョン70名 アルファベータプレス95名)が2005年に合併して、従来の
オフセット印刷からデジタル印刷へ大きく舵をきった。
デジタル印刷では、「発注元を設けさせる」「アイデアを提案する」が営業活動である。

※UVニスコートはポストカードDMや表紙、写真には常識とのこと

 One to One DMサンプル
 車の販売店が、マネージャーの写真入りで割引チケットを付けておくる。
 共通:グループ(マネージャー):顧客(チケット割引率)
 5万マイル走行のユーザーに送る。

このように同じデーターベースから全く表現が変わる。


ハイブリット印刷 サンプル
 オフセット印刷で付け合せ印刷を行って、A3サイズに断裁してインディゴで One to One印刷をする。

表紙はIndigo 本文はオフセット印刷 600,000万冊送付されているAT&T社のU-guide
AT&T社のサイトで見れます。
http://global.synapsegroup.com/att/uverse/
 
Vision Integrated Graphics
http://www.visionps.com/index.php

RT Associates
1982年設立した製版会社
デジタル印刷に関してザイコン ⇒ Kodak ネクスプレス ⇒ Indigo
HP-Indigo7000 2台
HP-Indigo Production Pro
印刷機
ハイデル菊半-6(ダイレクトイメージ付:使用せず)

ダイレクトマーケッティングソリューション・フィルドマーケティングソリューションを強みにビジネスされていることは、前記2社と同様です。

こちらでは14ヶ月前から「KAIZEN」に取組まれています。
改善のロードマップ

社内各所にされている掲示版
目標:結果が貼り出されています。

社長のお話を要約すると
会社を活性化させたく、コンサルタントを入れてKAUZENを14ヶ月前から始めた。
クライントに積極的に見せている。非常に反応が良く信頼性が高まり、受注が増している。
社員はモチベーションが高くなり、積極的に参加して呉れている。又、グループ活動などのより信頼関係が高まり職場の雰囲気が良くなった。
生産性は、確実に向上している。
仕入先の意識もよくなり、無駄な在庫も持たなくなった。
社内各所に貼ってあった自己紹介ボード

 あなたは平均的なプログラマーでは無い
一番の思い出:大学時代のフットボール
完璧な日: ハーレーの日(ハレーダビットソン)
好きなチーム: ダ・ベアーズとシカゴソックス
貴方は平均的な印刷工ではない 
 RT Associates
 http://www.rtcolor.com/

◆PRINT 09 展示会 No2

2009.09.29

PRINT 09 展示会

■印刷機
 機上にCTP装置を載せたDI機は、大日本スクリーン TruePress Jet344とPresstec社だけでした。
 
 Heidelberg
 XL-75 10P+LX with PRINECT Inpress Control AutoPlate
 16枚毎に、色・見当管理用のパッチを読み取り、フィドバックして色濃度と見当調整を行います。
 
 RYOBI
 RYOBI 756G(LED-UV印刷システム付)
 光沢UVニスが、LED-UV対応できるようになり、大幅な省エネとなった
 有版オンデマンドの出展はなし
 
 manroroland
 実機の展示はない。JUST 社の色見台に標準印刷物を貼り、ナナオのモニターで表示していた。
 PDFにiccプロファイルを持たすことにより、色校正に使えるとの印象を得た。

 三菱重工
 Diamond3000 V3000LX-6
 6色 UVニスコーター 乾燥付き
 
 コモリ
 LITHRONE SX40 菊全6色UVニスコーター 乾燥付き
 LITHRONE SX29 菊半6色UVニスコーター 乾燥付き
 コモリらしくJobスタートから立上がりまでの生産性をアピールするデモを行っていた。

 KBA
 RAPIDA106 (8色)PAPIDA75(5色) Genius52UV 有版オンデマンドの出展はなし。

 その他 桜井 篠原等

 印刷機の展示に関して国際展というのはあまりに寂しい思いがしました。

■Print 09 展は、世界最大規模のメーリング・フルフィルメント展示、最先端の生産技術を展示と言われるだけあって、多くの機器が展示してありました。

 Print09は、One to Oneがコンセプトであったと感じられました。
 ソリューション毎にレポートします。
■Document Mail Finishing
本文の送り出し(折り・断裁)・添付物の封入・封入・宛名印字

各メーカーは、本文にある宛名をバーコードやQRコードで読出し、封書に宛名印字をすることを売出ししています。
 
 Pitney Bowersが展示していたシステムです。

本文にある宛名に合わせて、封書に宛名印字と同時にOne to Oneでカラー印刷ができます。
HPの高速プリンターが搭載されています。
合わせて、U.S. Postal Serviceの(日本の料金別納)スタンプができます。

封筒不要システム
BÖWE BELL + HOWELLがPrint09で発表

用紙を折り曲げ端部を糊で接着し、封入をする。
Kerm Easy Mailler 515
1枚の」用紙から封筒と本文を作るシステムで他に返信用封書の封入もできる

■Print Mail Together
プリント メール Togetherと命名されたPitney Bowes IntelliJetTM Printing System
Pitney BowesがDrupa2008で発表されたHPの30吋幅の用紙に両面カラー印刷ができるHP introduces the T300 Color Inkjet Web Pressを取込み、メーリングシステムすると大きなPOPを作りアピールした。

従来はプリンターでRoll to Rollで処理し、メーリング装置で加工していたがワンラインで構築が可能となる。

■Tabbinng(タブ)
折り機で折った物やページ物を郵送する場合、U.S. Postal Servicen規格があります。

形やサイズによってタブを貼ります。
メーリングシステムにタブの貼り付け装置を設定します。

■ソフトウェア
ソフトベンダーやメーリング機器メーカーから数多く展示されていた。
面白いなと感じたものをご紹介します。
BÖWE BELL + HOWELL
ドキュメントのビジュアル変換

例えばクライアントがwardで作成した文書を用意されたテンプレートに流すことにより、ビジュアル化した文書に変換する。

 Direct Smaile
 日本でも普及が始まった、画像ソフトで 画像One to Oneの定番となっています。

■その他
 宛名印字用プリンターは数多く出展され、UVインキタイプも多く見られました。
 UVプリンターを使ってカードを作成し、用紙に接着剤で固定し観音折にし3方をタブで留めてそのまま投函するサンプルです。

Gluing Machines グルー(接着)装置
カードの接着や本文へ小片の貼付は、挿入するフィダーの前にグルーを塗るGluing Machinesが設定されている。

接着剤は、ホットメルトで分厚く塗られているので日本人的感性では「これで良いの?」
 Print09 動画がアップされました。
 http://www.print09.com/Media/News-Center.aspx

◆PRINT 09 展示会 No1

2009.09.24

PRINT 09 展示会


■デジタル印刷に成功されたユーザーを3社の見学をしました。
 この件のレポートは、後日させて頂きます。
Print 09初日現地時間11日と12日の2日にわたって
視察して得た内容を先にレポートします。

残念ながら、来場者は相当減っているようです、不況の影響は大きいのだと感じさせられました。
出品メーカーでも、マン・ローランドやコダックは装置の展示がなくイメージ展示となっていました。

PRINT09の中のセミナーで報告された米国の印刷市場のシェア予測(全体:100%)を見てみると、オフセット印刷は、2007年の42%、2008年の40%、2009年の39%、2010年の38%、2011年の36%、2012年の34%と年々シェアを落としています。一方、デジタル印刷は、2007年の17%強、2008年の18%弱、2009年の19%弱、2010年の20%、2011年の21%強、2012年の23%と年々シェアを上げています。長期的(2014年〜2017年)に見ると、オフセット印刷とデジタル印刷のシェアは、31%と同じなると予測されています。

■まず主流になりつつあるデジタル印刷機に関してレポートします。
Print09展の最大の期待は、Drupa2008で発表された一般の印刷用紙にオフセット印刷と同等の品質のインキジェット高速印刷機でした。Dpupa2008の各社のアナウンスはPrint09で発売でしたから、多いに期待をしました。
 しかし、大日本スクリーン・コダックは展示なし富士写真フィルム「JetPress 720」は展示されていましたが静態展示で、印刷サンプルはパネル展示に留まっていました。
 説明によると、発売は2010年春とのことでした。

新製品デジタル印刷機
HP(Hewlett-Packrd)
Indico W7200
Indico 7000を2連装し、両面同時印刷ができかつ今回は、ロールツーロールだけでなく、後加工装置との連携やシートカット加工ができるようになりました。
 120枚/分/A3の高速で、オフセット印刷と同等の品質が得られる液体トナーで描画します。
 色数は4〜7色 白を含む特色が対応できます。
 USAで、ハイブリット印刷に使われるデジタル印刷機のデファクトスタンダードはインディゴです。10台以上所有する印刷企業にとって生産合理化を図る上で待ち望んでいた装置のようです。


Xerox
Xerox iGen4 Pressの2連装機を出展両面同時プリントにより50枚/分/A3をアピール 
 http://www.youtube.com/watch?v=ku8tT6oRYMs&feature=related

 Océ
 JetStream 1000 digital printer
 従来型は2 ユニットで全幅表裏印刷となっていたがこのモデルは1ユニットで構成されている
インクジェットシステム。600×600 dpi、最大幅15.6cmのロール用紙に、75m/分でカラー印刷ができるプリンター。


RICOH
RICOH Pro C900/C900S
CREO 社製コントローラーController C-80を採用し、デジタル印刷機として本格的なワークフローの構築を図る。
大日本スクリーン
TruePress Jet 520 
2連装にして表裏同時印刷を行っていた。

■上質紙にフルカラーをA2サイズでワン ツー ワンの高速印刷は普及期に入ったとの実感
しました。
 HPがDRUPA2008で発表したA1サイズのHP T300 Color Inkjet Web Pressは実機の展示はなかったがPitney Bowes社が、メーリングの加工に連携することを大きなパネルを使って大々的にアピールしていた。冊子DMのワン ツー ワンに利用するとのこと。

写真品質のデジタル印刷機は、従来は液体トナーのインディゴの一人勝ち、その市場に乾式で各社が参入してきました。USAではポストカードDMの表面とアルバムはUV光沢ニスのコートは常識となっています。ポストカードDMへのUVコートは耐候性を向上させる目的とのことです。

UVニスコーター

◆PRINT 09 展示会

2009.09.14

雑記

2009年9月11日〜9月16日に米国イリノイ州シカゴで行われる、米大陸最大の展示会で、4年に一度開催されます。前々回2001年は丁度9.11が起こり途中から閉会となったことが、ありました。
今回のテーマは「すべては印刷のために」デジタルとオフセットの完璧な融合
6つのテーマに沿って展示されます。

●プリプレス/デザインソフト(Prepress/Design-Software)

●ワイドフォーマット(Wide Format Pavilion)

●メーリング/フルフィルメント(Mailing & Fulfillment Center)
世界最大規模のメーリング・フルフィルメント展示会場、最先端の生産技術を展示

●フューチャー・プリント(Future Print)
今日注目を集めているRFID、プリンテッドエレクトロニクスを取上げ展示

●PackPrint
パッケージ印刷業者をはじめ、これからパッケージ印刷業界に進出する企業向けに展示

●GREENspace
業界、顧客の双方の環境負荷の低減に向けた最新技術を展示

展示会URL http://www.print09.com/

◆先進国において印刷産業の出荷は低減しています。しかしアメリカではオフセット印刷と、デジタル印刷を組み合わせたハイブリット印刷が劇的に拡大しています。

それは、顧客から預かったデーターを受け手に合わせて加工する、one to oneの加工と共通の部分をオフセット印刷します。

◆アメリカの印刷業界の特徴はDMです。Print 09にはDMに特化したパビリオンがあります。

◆弊社のスタッフ2名が、Print09展とハイブリット one to one印刷の先進印刷会社の視察へ参ります。

one to one印刷物は、クライアントのビジネスを成功に導くものです。しかし前例のない、新規な挑戦となります。

今回の視察で、皆様のビジネスが成功されるよう提案できるシーズを得て来ます。
帰国後、メンバーの報告を印刷技術道に掲載させて頂きます。
ご期待下さい。

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